コロナ禍で飲食店が時短営業を余儀なくされている現在、
家でお酒を飲むことが増えた人も多いのではないでしょうか?
そんな「家呑み時間」にこだわってみてはいかがでしょうか。
本シリーズは「家呑み」のつまみに、知っているだけでお酒がおいしく感じるような情報をお伝えしていきます。
今回はクラフトビールについて紹介していきます。
目次
クラフトビールとは?
クラフトビールとは、小規模な醸造所で製造されるビールのことです。
「え?それだけ?なんか特別な製法で作られたり、材料を使っているんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、そういうわけではないんです。
1994年の酒税法改正で、ビールの最低製造数量基準が2,000キロリットルから60キロリットルに引き下げられました。これにより全国にたくさんの小規模なビール醸造所(マイクロブルワリー)が誕生しました。
誕生当初は「地ビール」と呼ばれ、物珍しさから、お土産品としてブームになりましたが、醸造所の技術が発展途上だったこともあり、ブームの沈静化とともに、高価で、癖があり、おいしくない粗悪品というイメージが定着してしまいました。
そんなマイナスイメージを払拭するために、従来の「地ビール」という位置づけを「職人がこだわって作ったプレミアムなビール」という意味を込めた「クラフトビール」に刷新しました。
つまり、小規模な醸造所が製造するビールを ”いい感じ” に言ったものがクラフトビールなわけです。
名前を刷新したことを機に2010年代から、再びブームに火が付き、今では多様な好みに合ったビールが市場に出回るようになりました。
とは言っても、いろいろありすぎて何が違うのかわからない!選べない!とあきらめて、惰性でいつもと同じものを飲み続けている人も多いのではないでしょうか?
そんな人に向けた、ビールの基礎について紹介していきます。
ラガー、エールとは?
ビールのパッケージでエールやラガーという言葉をよく見かけると思います。
これらの意味を知っている人はどれくらいいるでしょうか?
この違いを理解することで、よりビールのおいしさを引き出す飲み方ができるようになります。
ビールには主に2つの発酵法が存在します。
その発酵法の違いによってラガーとエールに分類されているのです。
ラガーとは
タンクの下の方で発酵する、下面発酵によってできるビールのことです。
普段、皆さんが飲むことが多い、ビール会社大手4社のビールはラガービールです。
のどごし、キレが持ち味で4~8℃にキンキンに冷やして飲むのがおいしい飲み方です。
エールとは
ラガーが下面発酵なのに対し、エールはタンクの上の方で発酵する上面発酵でできるビールです。
よなよなエール、水曜日のネコなどのブランドを持つ「ヤッホーブルーイング(長野県)」はエールビール専門のブルワリーで、クラフトビールといえばエールの方を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
エールビールは芳醇な香りとマイルドな口当たりが特徴で、少しぬるめの温度でいただくと、香りがより一層引き立ちます。
(補足)IPAとは
ちなみに、クラフトビールのパッケージでよく見かける「IPA」というのはインディアン・ペールエール(India Pale Ale)の略であり、エールビールのスタイルの一つです。
インドがまだイギリスの植民地だった時代に、イギリスからインドへビールを運ぶための長旅に耐えられるよう、腐らせない工夫が必要でした。そこで、防腐剤の代わりにホップを大量に入れたビールが「IPA」です。
ホップの香りと苦みがガツンときて、おいしい!
アルコール度数は一般的なビールより少し高いですが、クセになる味です。
おすすめクラフトビール
ここからは個人的におすすめなクラフトビールを紹介していきます。
よなよなエール(ヤッホーブルーイング)

よなよなエールはコンビニでも購入できる、最も身近なクラフトビールだと思います。
クラフトビールの王道の味わいを追求した、アメリカンペールエール。
アロマホップ「カスケード」の柑橘類を思わせるフレッシュな香りと、やさしいモルトの甘みが特徴です。ビールが喉をとおったあとも、香りが心地よくとどまりつづけるよう醸造しました。
https://yonasato.com/ec/product/yonayona_ale/
飲み頃の温度が13℃とかなりぬるいので、これからの時期、お花見やピクニックなど、屋外に持っていって楽しむこともおすすめです。
水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング)

週の真ん中水曜日に、息抜きビールでリフレッシュしてみませんか?
グラスに注げば立ちのぼる、青りんごを思わせる香りとオレンジピールの爽やかな香り。ほのかなハーブ感がフルーティさを引き立て、すっきりとした飲み口がやさしく喉を潤してくれます。他のビールと比べて苦みが少ないので、普段ビールを飲まない方にもおすすめ。
https://yonasato.com/ec/product/suiyoubino_neko/
パッケージのデザインも可愛いことはもちろん、りんごのような匂いも特徴です。
優しい味で女性からも人気のビールです。
インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)

グレープフルーツのような華やかなホップの香りの陰に、思わず「二ガッ!」と叫んでしまうほどホップの強烈な苦味が隠れています。この苦さと深いコクが飲むものを虜にしてやまない、熱狂的ビールファンにこそおすすめしたい個性派ビールです。
https://yonasato.com/ec/product/indono_aooni/
温度が温くなると同時に、苦味が強くなり、食欲を掻き立てられる一本です。
赤身のお肉や、脂っこいお料理との相性抜群です!
一意専心(京都醸造)

その名の通り職人さんが「一途に心を注いで」作っているビールです。
クラフトビール業界は熱心な人で溢れている。ブルワーはもちろんだけど、職種を問わずビールのために一生懸命(そして楽しく)働く人が多い。よく考えたら、同様のことの言える業界はあまり思い当たらない。「一意専心」はこの業界の精神をうまく表現していると思う。
このビールは京都醸造が最も尊敬する醸造大国のベルギーとアメリカの特徴をブレンドしたものだ。アメリカのクラフトビールはホップの味わいと苦味でよく知られている。ベルギービールの複雑な味わいはほとんど酵母からくる。「一意専心」は華やかな柑橘系ホップ感とスパイシーな酵母感を組み合わせてドライで苦すぎないIPAに仕上がった。
https://kyotobrewing.com/products/ichii-senshin
グレープフルーツのような匂いで、すっきり飲みやすい一本です。
箕面ビール スタウト(箕面ビール)

コーヒーやビターチョコレートを思わせるフレーバー、滑らかなやわらかさとドライな後味にこだわった、飲み飽きないスタウト。
何杯でも飲みたい黒!を追求した、箕面ビールの自信作です。
http://www2.enekoshop.jp/shop/minoh-beer/item_detail?category_id=457502&item_id=1977579
コーヒーのような苦味があり、デザートに合わせてもおいしい一本です。
チーズケーキと合わせたときの衝撃、とんでもなかったです。
ぜひ気になったものがあれば、試してみてください。
まとめ
今回紹介したのは、クラフトビールの基本の「き」の部分ですが、これを知るだけでもちょっとツウになった気分になりませんか?
クラフトビールは種類が豊富なので、自分好みのビールを探してみたり、ブランドごとにメッセージや信念があって作られているものも多いので、自分のライフスタイルにマッチした、共感できるブランドを探すのも楽しいのではないでしょうか。
次回はラガー、エールからさらに深堀り、ビールのスタイルについて解説していきます。
お楽しみに!